なぜ欧州でミニバンが流行らないのか

2019/7/19 383hit
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こういう記事を見かけた。
日本より長距離移動が多いのになぜ? ヨーロッパでミニバンが流行らない理由とは

欧州でミニバンが流行らない理由はヒエラルキーが低いからだそうだ。
他にも高速走行が多い欧州では走行性能が求められるから みたいな記事もよく見る。

もしかしたらそういう理由もあるかもしれないけれど、でもちょっと違和感ある。
なぜなら、もともとヒエラルキーの低かったSUVはすんなり認められて今や高級車としての市民権を得ているし、走行性能がそんなに高いわけでもないコンパクトカーも受け入れられている。
そもそも日本で人気があるようなセレナやアルファードのようなサイズ感の車って欧州には乗用車向けの設定がない。 つまり買いたくても買えない。

その理由は安全基準の違いだと思う。
衝突試験の様子を見てみれば一目瞭然。
日本の側面衝突試験

欧州の側面衝突試験


欧州の側面衝突試験(Euro NCAP)では後部座席(2列目)にもダミー人形があるんですよ。
一方で日本の衝突試験では後部座席にはダミー人形がありません。
3列目に乗り降りしやすい開口部の大きなスライドドアをつけると後部座席の側面衝突に対する安全性は犠牲になります。

そのため、欧州で発売されているスライドドアのミニバンはそろって大柄な全幅を持ちます。
比較的コンパクトなゴルフトゥーランでさえ全幅は1,830mm。シャランは1,910mm
トヨタが唯一EUでだしているミニバン、プロエース ヴァーソに至っては全幅は1,920mmあります
一方で、日本での売れ筋なセレナやヴォクシーは1,695mmしかありませんし、Lサイズミニバンと言われるヴェルファイアやエルグランドでさえ全幅は1,850mmしかありません。

欧州人の体が大きいからでは? と思われるかもしれないけれど
欧州車の全幅が安全のために確保されているのは車内幅からもわかります。
トゥーランの室内幅は1,370mm、シャランは1,450mmに対してセレナは1,480mmもあります。

結局の所 欧州では日本で人気のあるようなミニバンは出したくても出せない。
欧州も日本と同様狭い道が多く、幅広の車は敬遠されやすい。ということじゃないでしょうか?

日本は安全軽視なのか?
上記の内容を見ると日本は安全性について軽視しているのか? という気持ちになってくる。
でも後部座席の側面衝突を無視することでセレナのような需要を満たせていると思うと単純に安全性を無視していると批判するのも危険な気がする。
仮に日本車にも後部座席の側面衝突試験を始めると、日本でも全幅が1900mmを超えるようなミニバンがゴロゴロ走り出すことになるはず。はたしてそれが狭い日本において安全 につながるのかどうかは一考の余地がある気がする。

また、3列目については日本はもちろん、欧州もアメリカも全く試験されていない。
特に3列目は追突事故のときに真っ先に被害を受ける部分なのでここの試験がされないことは不満ではあるのだけれど、現実にこの試験を行うとほとんどの3列シート車は発売できなくなってしまうはず。

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