USBにノイズが乗った問題の原因と対策

2019/3/8 218hit
このエントリーをはてなブックマークに追加

何がおきたか:

USB機器が不安定になりキーボードやスマートフォンをMacが認識しなくなった。
Macに接続していたAVアンプからザーとか ブツブツというノイズが鳴り始めた。

原因:

USBケーブルを経由してノイズが伝搬していたと推測される。
USBでノイズが乗るだって? オカルトじゃない? と思う人のために細かな検証とノイズ伝搬説に至った詳しい説は下記に示す。

対策:

ノイズの伝搬原因となっていたデバイス(今回はFireTV Stick)を取り外した。

以下詳細:

Macを使っているとキーボードが認識しなくなったり、開発用に接続しているAndroidがなんどやっても認識しなくなるという現象が発生しました。
最初は我が家で使っいるUSBハブはAnkerの13ポートもあるハブで、しかもそれをUSB Type-Cの多ポートハブにデイジーチェーンしている状態。
キーボードは自作したもので有機ELディスプレイが付いているなど大飯食らい、電気的にも難しいのかななんて思っていました。

ところがある日、アンプからザーという明らかに大きめのノイズが出ていることに気づきました。
実はこれと同じ現象をかなり以前に経験したことがあり、もしかしてと思いUSBハブからUSBを抜くとノイズがピタッと止まりました。

証拠の動画

嘘だろ?と思われる人のために証拠の動画を上げておきます。 USBを抜いた瞬間ノイズが小さくなっているのがはっきりと分かると思います。
ケーブルを指すとノイズがじわじわ大きくなり、抜いた瞬間ピタッと止まります。


USBでノイズがオカルト認定される理由

さて、USBでノイズと言うとよくオカルト認定されることがあります。特にオーディオにノイズが乗るとなるとなおさら。
その理由はオーディオ愛好家の中には出費を惜しまない人たちがいてそういう人たち向けに何万円もするような高音質USBケーブルが出回っていること。
しかし、USBを流れる信号はデジタル信号でありデジタル信号は高いケーブルを付けたから信号が良くなるなんてなりえないため、オーディオ専用のUSBケーブルというのは実際のところ趣味人に向けた効果の怪しい高額商品ということになります。

でもノイズが乗った。

ところが、動画を聞いてもらったら分かる通り、ケーブルを変えたら音がまろやかになりました。艶が出ました みたいな主観的な内容じゃなくて、明らかに気のせいと言えるレベルじゃなくノイズが乗っていることがわかると思います。
そして、それはUSBケーブルを抜くだけでピタリと止まっていて、原因がこのUSBケーブルを流れているノイズなのは明らかです。
では以下詳しく検証していきます。

接続環境

実際には他にも色々つながっていますが、今回はノイズが伝搬した経路だけを紹介します。
AVアンプのHDMI端子にFire TV Stickが接続されており、Fire TV Stickに電力を供給するためにmicro USBケーブル経由でUSBハブに接続されていました。
USBハブはUSB Type−Cの多ポートハブとUSB3.1で接続されていて
USB Type-C多ポートハブはMacBook ProにUSB Type-Cで接続されています。
MacBook ProとディスプレイはDisplayPortの変換ケーブルを使って接続されていて
ディスプレイ内の音声出力からAVアンプに3.5mmジャック経由で音声が出力されています。

この図のうち青いケーブルの部分はデジタルでデータが送られている部分。赤の部分はアナログで信号が送られている部分灰色の部分は電源のみで信号を送っていない部分です。

動画で抜いたのはこのうち、Fire TV StickとUSBハブのケーブル。
ここじゃなくても図に示している途中のケーブルのどこを抜いてもノイズは出なくなります。

Fire TV Stickがアンプにノイズを送ってるのではないか疑惑の否定

Fire TV Stickが壊れていてノイズ音声を出力している疑惑があったのでモバイルバッテリーに接続を変えてみたのですが、Fire TV StickをUSBハブ以外から電源をとった場合はノイズが出ませんでした。
また、アンプの入力元をMacではなくFire TV Stickに変えてもノイズは出なくなります。
この結果から、ノイズはやはりこの環状をぐるりと回って伝わったと推測されます。

ノイズによりUSBの音声信号が置き換わったのか?

いや、それは考えにくいです。デジタルオーディオの場合、仮にデータが入れ替わるとしたらエラーになって音声が途切れ途切れになるはずです。(携帯電話の電波が悪い時を想像してください)
音声を止めないことを優先してエラーを無視する設定だった場合、音質が落ちる事はありえます、しかしその場合デジタルの特性上置き換わった音はもっとひどくバチバチとした音声になるはずです。
なぜなら、電気の強弱で音量の大小を示しているアナログ信号と違ってデジタルの場合は音量の大小はビットの位置で決まるので、ノイズでランダムに置き換わると音量が大きく変わる部分も置き換わるはずなためです。
ところが今回の場合は昔ながらのアナログ的なノイズ音がします。

さらなる検証。Macの音声出力を内蔵マイクにするとどうなるか?

なんと、この場合でもノイズは流れ続けました。
このとき、ディスプレイへは映像信号のみで音声信号は送られていないので、本来なら無音になるはずです。ところがアンプからはこれまでと同じだけのノイズが出力されてきました。

音声信号は置き換わっていないがノイズは伝搬された。

つまり、ディスプレイに内蔵されたオーディオインターフェイスは音声信号を送られていないのに音声を出力していたことになります。
しかも、そのノイズはFireTV StickとUSBハブを外すとピタリと止まる・・・

ここから推測されるのはFire TV StickのUSB端子から電気ノイズが出力され、USBハブ、USB-C多ポートハブ、MacBook Proを経由して、ディスプレイ内蔵のサウンドインターフェースのノイズフィルターが不十分であったためノイズを拾ってしまいアンプに渡したということ。

デジタル用の通信ケーブルもアナログノイズは伝える

考えてみれば当然の話し、デジタル用の通信ケーブルと言っても結局電気を送る電線である以上アナログノイズは伝えます。
その延長線上にアナログ回路(ここではディスプレイ内蔵のサウンドインターフェース)があればそこがノイズを拾ったとしても不思議ではありません。

悪いのは誰?

まずノイズ発生源ですが、これはアンプかFire TV Stickかのどちらかでしょう。

アンプが悪い?

個人的にはアンプが怪しいかな?と思っています。 しかしアンプは悪いでしょうか?
アンプにとって見ればHDMI inputの先には映像出力デバイスしかつながっていないはずです。多少ノイズが出たところで問題にならないと思っていても仕方ないです。

Fire TV Stickが悪い?

Fire TV Stickがノイズを伝搬していたにせよ本体自体がノイズを出していたにせよFire TV Stickは悪くないと言えます。
なぜならFire TV Stickが接続していたUSB端子の先は、ユーザーが正しく使っていれば付属のAC-USBアダプタがつながっているはずであり、そこに多少ノイズを送ったところでどうという話でもないからです。

USBハブ or USB C 多ポートハブが悪い?

ノイズを伝搬してしまったと言う意味でフィルターがないのは事実ですが別にUSBハブはリピーターではないのでそこは責められないところです。 ちなみに、この2つを取り外して、USB-C USB-Aの変換コネクタを経由してFireTV Stickをつないだときも(当然ながら)ノイズは乗りました。

MacBook Proが悪い?

あるポートのノイズを別のポートに伝搬させてしまったというのは結構驚いたのですが、ノイズのレベルもあるので仕方ない範囲かなという気もします。
オシロスコープなどでノイズレベルを計測したわけではないですが、冒頭に書いたようにUSBの通信が阻害されるほどのノイズ量だったので常識的な範囲を超えていたのだと想像できます。

ディスプレイのサウンドインターフェースが悪い?

もし、ディスプレイのサウンドインターフェースが正しくノイズをカットできていれば音声にノイズが出ることはなかったはずです。
アナログ回路の部分なのでもうすこしノイズフィルターは頑張ってほしいというのが正直なところ。
しかしながら、このデバイスはノイズをユーザーが聞こえる音声に置き換えてくれただけでUSBにノイズが乗っていると言う事実は変わりません。
もし、このサウンドインターフェースがノイズ音を出していなかったらUSBが不安定な問題はずっと解決しなかったかもしれません。

ケーブルが悪い?

安価なUSBケーブルが悪くて高額な音声専用のUSBケーブルを使えばよかったのでしょうか?
高価な音声専用USBケーブルが実際どんな仕組みなのかわかりませんが、たぶん意味ないです。
おそらくシールドを分厚くしているだけなので、そもそも端子から入ってきたノイズはカットされずそのまま送り届けられる事になりそう。

この中で 唯一明らかに問題を起こした人がいます。

はい、Fire TV StickにAC-USBアダプタを使わずUSBハブから電源をとった私です。
いや、本当にすまんかった。
そもそもFire TV Stick使っていなかったので本体から撤去して、ノイズ問題は一件落着しました。

よくあることかも?

ここからは言い訳になるのですが、Fire TV Stickを使う前にも似たような現象に遭遇したことがありました。
その時の原因は電磁誘導のペンタブレットが原因でした。
まだこのディスプレイを入手する前だったのですがMacBookAirのイヤホンジャックにアンプ内蔵のスピーカーを繋いだところ耳障りなノイズが出ました。
ということを考えるとこのUSBに接続したデバイスがノイズを出して他のデバイスが不安定になるという現象って意外と他の人の環境でも多発しているんじゃないの?って思います。
安物のサウンドインターフェースをつないでいないとノイズって気が付きづらいので、電気容量の問題だったり相性問題とかって片付けられがちなだけで。

そういえば、以前SONYが高音質を歌うSDカードを販売したことがあり、そのときもオカルトと批判されていました。(Amazonレビューでもかなり馬鹿にされていますね)
しかし、仕組みを聞いてみるとアナログノイズをへらす対策を入れているということらしいので、実はあれはオカルトでも何でもなくまっとうな製品だったのかもしれません。(本当のところは聴き比べたわけでもないのでわからない)


USBが不安定ならデバイスをガンガン抜いてみて試そう。

不具合があったら周辺機器を最小に減らせというのは自作PCの世界では常識ですが、USBでも同じだなと思った次第。
USBが不安定な人はペンタブレットのような電波を使うデバイス、他にACアダプタが付いていて大容量の電源を使うデバイス、FireTV Stickのように他の高出力なデジタル機器とつながっているようなデバイスからノイズが伝わっているかもしれないので、色々抜いてみて原因を探ってみると良いかと思います。


前:Peak DesignのEveryday Sling (10L)長期レビュー 

関連キーワード

[物欲][IT]

コメントを投稿する

名前URI
コメント