AndroidWear長期レビュー

2014/8/29 14361hit

AndroidWearを一ヶ月ほど使ってみたのでレビューしてみたいと思います。
この手の新しいデバイスは実際に長時間使ってみないと真価を発揮しないので短期レビューは避けて1ヶ月ほど実際に触ってからレビューすることにしました。
それまでほぼ毎日SONYのSmartWatch2をつけていたのですが、試用中はコレを外してSamsung Gear Liveを1ヶ月間毎日つけるようにして、最後に2つとも付けた上で使い勝手を試してみました。

結論を言うと、とてもいいのに全くダメな商品です。

ここがいい

アプリのデザインが綺麗

全体的な動作に関してはSmartWatch2に比べてかなり滑らかで、アニメーションの使われ方も自然でなかなか良く出来ています。
SmartWatch2は、このあたりのデザインを全くやっておらずアニメーションも皆無だったのでかなり衝撃を受けました。
タッチパネルの精度もSmartWatch2よりかなり良くなっています。
全体的に新しいものを使っているんだ という感覚が強いです。

アプリを作るのが楽

コレ大事だと思います。Notificationを使ったアプリ開発は標準的なAndroidアプリでNotificationを作ったことがある人ならすぐに作ることが出来るレベルです。CustomActivityを使ったアプリにした所でAndroidStudioの使い方さえ知っていればそんなに難しくありません。SmartWatch2のアプリ開発のややこしい仕組みと比較して圧倒的にアプリが作りやすくなっています。
関連:ゼロから始めるSmartWatch向けアプリ開発 概念編

ホーム画面をカスタマイズできる

SmartWatch2もバージョンアップにてカスタマイズ出来るようになりましたが、AndroidWearでは標準でホーム画面をカスタマイズできます。
カスタマイズの範囲も大きいし、いざとなれば自分でゼロから作ることも出来ます。 この差は大きい。

通知が早い

Notificationを使ってPushで送られてくるのでメールやFacebookのメッセージなどが着信後即効で届きます。
SmartWatch2はポーリングなので遅い時は数分遅れてしまいます。
特にSmartWatch2ではスマートフォンで既に見た内容が遅れて届いたりするのがイマイチな感あります。
ここはFacebookやGmailが直接作ったアプリが提供されているAndroidWearとSony製のSmartWatchの大きな差にあるようです。

圧倒的知名度

Androidの旗振り役であるGoogleが旗振りしているというのもあるでしょうが、告知にかける本気度がまるで違います。
SmartWatchは上記の通りエコシステムの構築に失敗していて先行者利益も殆どとれていないので、今からウェアラブル向けアプリを開発しようという人は殆どがSmartWatchではなくAndroidWearを先に対応しようとするでしょう。
プラットフォームを成功させる上で一番大事なエコシステムの構築という点でAndroidWearは既にSmartWatchを超えていて今後もその差は広がっていく一方だと思われます。

ここが惜しい

つけてる感がある

GearLiveのサイズってSmartWatch2よりちょっと幅が狭く、縦に長い
ディスプレイサイズは若干横長のSmartWatch2に対して完全な正方形になっています。

側面から見るとただでさえ薄いSmartWatchよりも薄く、腕の形に沿うように本体が曲げられていてつけ心地に関してはかなり工夫した形跡が見られます。

一方で重量はSmartWatch2の48gに対してGearLiveは59gと2割ほど重たくなっています。
また、ベルト(交換可能)はSmartWatch2はぐにゃぐにゃに柔らかいベルトですが、GearLiveは腰がある固めのベルトになっています。

そのせいか、実際に付けてみると、GearLiveは「腕時計をつけている」というのを意識させられます。
私は腕時計を付けていると違和感を感じてしまい、無意識に外してしまうくせがあるのですが、SmartWatch2は付けていることを忘れてしまうほど違和感がないため、この癖が発動しなかった。
GearLiveはまだそこまでは行けておらず、気がついたら外していたということがちょいちょいありました。
この画面サイズ、この機能、ということを考えればずいぶんと頑張っているように思うのですが、ライバルがすごすぎたということです。

ベルトがダサい

交換すればいいんですけれどね、
交換用のピンが露出しているので交換自体はSmartWatchより簡単です。
いや、設計者の気持ちは判らないでもないです。新しい時計を作るならベルトも新しいデザインにチャレンジしたいって

でも、それが使いやすさにつながっている感じはしません。つけづらいし、玩具っぽい感じでどうも・・・
SmartWatch2はよくも悪くも無難なデザインです。
これといった特徴はないですが軽くてつけ心地がよく、高級感もチープな感じもありません。


ここがダメ

電池が持たない

びっくりするほど持ちません。
画面を見るだけで1日半、ちょっと操作すると数時間でバッテリーが切れることがあります。
昔のスマートフォンにもそんなのはありましたが、ウェアラブルってちょくちょく充電出来ないので余計にストレスが貯まります。
それに対してSmartWatch2は普通に使っていても3日、画面を見るだけなら5日程度持ちます。
ちょっとした小旅行ならSmartWatch2の場合充電は必要ないのですが、GearLiveは必ず充電が必要です。

充電しづらい

これもGearLive特有なのですが、異様に充電がしづらいです。
micro-USBと変換コネクタを介して充電するのですが、この変換コネクタが設計した人の嫌がらせじゃないか?って思うほど使いづらいです。
妙な角度で充電器を押し付ける必要があって、固定の場所は小さいしいかにも壊れそう。
しかも、専用設計なのでなくしたら買い直し。そして、電池が1日しか持たないので一泊二日の旅行でもこの充電器を持ち運ばないといけない。

一方のSmartWatch2は本体にmicroUSB端子が付いていて一般的なスマートフォン用のUSBケーブルをそのまま流用して充電できます。

本体の小型化や、防水を担保するために仕方ない部分もあるのでしょうが、この点で使い勝手が圧倒的にSmartWatch2がよくなっています。

Glanceableでない

AndroidWearのデザインパターンにおいて頻繁に出てくるGlanceable、すなわちパッと見て情報を確認できることですが、この点もSmartWatch2の圧勝です。
まず、一番の違いが省電力モード時の動作。
AndroidWearでは時間などホーム画面で提供される情報に加えて最も優先度の高いNotificationが少し表示されるだけです。
それに対して、SmartWatch2ではファームウェアがバージョンアップされホーム画面にウィジェットを置くことが出来るようになりました。これにより、天気予報などの情報をホーム画面上に固定できます。


AndroidWearを設計した人の気持ちもわかります。できるだけ情報を少なくしたい。
そのために最も新しい情報以外を消してしまおう と・・・

しかし、実際にはソコソコ大量の情報があっても、必ず決められた場所に同じ情報が表示されるのであればGlanceableさは失われないどころか向上するというのが私の結論です。
そして、AndroidWearの場合、もしお望みの情報が最新のNotificationになかった場合の作業が大変。


例えば新着メールが「ないこと」を確認する場合。
AndroidWearでは上にフリックし続けて全てのNotificationをチェックしなくてはいけません。
一方でSmartWatchの場合、ロックを解除してメールアプリに未読の数字が点いていないか確認するだけです。

また、長文のメールの場合、AndroidWearは途中で途切れてしまいますが、SmartWatchはファームウェアのバージョンアップにより最後まで表示されるようになりました。

このあたりのこなれかたはやはりウェアラブルに人一倍長く取り組んできたSONYの実績でしょう。

使いものにならない音声認識

AndroidWearは素早くアプリを操作するために音声入力を押しています。
確かに音声入力でメールを返信したりすると凄く気持ちが良いです。

しかし、これの使い勝手がすこぶる悪い。
まず精度が悪い。Androidの音声認識は1.6のころからかなりレベルが高かったのですが、Wearに関してはホント駄目です。特にアプリを開始するためのかなり大事な標準コマンドである「かいし」を「甲斐市」と認識するあたりはバグレベルだと思っています。

他にも設定画面を開くときに「設定を開く」というとWeb検索が行われ「設定」と言わないといけないなどチューニングが全然行われていない状態。

しかもやり直しがしづらい。
もし、コマンドを間違った場合は、画面を全部かくしてスリープにした後もう一度画面をタップしてその後OK Googleと言い直さないといけない。
ただでさえ、コマンドを認識できずにイライラしているのにやり直しで更にイライラさせられてしまう。
腕時計に語りかけるってダサかっこいいところがあるのですが、音声認識に失敗した場合はもうひたすらにダサいだけです。この屈辱感はスマートフォンの音声認識ミスでは無いレベルでAndroidWearの魅力そのものを大きく下げてしまっています。

まともに動けばとても楽しい音声認識だけに重点的に頑張ってもらいたい。

不要なNotificationが多い

これは他の問題に比べたら大したことがないのですが、Notificationをそのまま運ぶ仕組みなのでワザワザ腕時計に知らせる必要がないNotification(Facebook写真アップロードを完了しましたとか)も飛んでくる。
一応ブラックリスト方式でアプリ単位に制限をかけることは出来ますが、SmartWatch2の通知して欲しい情報を選んでいくホワイトリスト方式の方が使いやすいように感じました。

おすすめ度

現時点でのおすすめ度は30%(特殊な理由がない限りおすすめしない)
残念ながらGearLiveはまだコンセプトモデルレベルです。
普通の人が普通に使おうとすると不満点が溜まってウェアラブル自体に悪印象を残すのではないでしょうか。
現時点での実用性で言うとSmartWatch2のほうが圧勝で価格も安いです。
SmartWatch2にはウェアラブルの可能性を感じたし、もしつけ忘れていることに気づくと家に取りに戻りたいと思わせてくれましたが、GearLiveはまだそのレベルにありません。
AndroidWearは知名度が高いだけに、これがウェアラブルの限界と思われるのが怖いです。

SmartWatch2は当初のレビューでおすすめ度65%を付けましたが、その後のファームウェアアップデートにより現時点では75%のおすすめ度まで上がっています。
GearLiveも今後のバージョンアップでブラッシュアップされる可能性はあるのですが、充電の問題などソフトウェアではどうしようもない部分も多く、現時点では実用品というより開発用と割り切ったほうが良いように思います。

ウェアラブルに関して

辛口なレビューになってしまいましたが、ウェアラブル自体のコンセプトはかなりいいと思っています。
これは使ってみないと分からないのですが、ウェアラブルによりスマートフォンを触る回数が減り、その分より周りを見ることが出来るようになりました。
決してスマートフォンを置き換えるものではなく、スマートフォンとより上手に付き合うためのツールとしてウェアラブルのこれからに期待しています。

AndroidWearに関しては、
まず最初に充電問題をどうにかすること、次に音声アクションを使えるレベルにすること この2点は一刻もはやく行って欲しい。
加えて、アプリの起動をより簡単にすること、ホーム画面に特定アプリの通知を固定化出来るようにすること。
ここまで行くとSmartWatch2を脅かし始めると思います。

評価の高い交換ベルト




前:音楽を定額制に移行すべきただ1つの理由 次:iPhone6とAppleWatchに対して感じたこと

関連キーワード

[Android][モバイル][物欲][IT][ウェアラブル]

コメントを投稿する

名前URI
コメント