Sketch2はFireworksを置き換えるかもしれない

2014/1/27 7104hit

生粋のFireworks使いが最近話題のSketch2を使ってみました。
Sketh2はMac専用のドロー系ツールです。
ドロー系ツールのメリットは再利用が容易なことや多数の解像度に対応できること。
スマートフォンアプリの隆盛でディスプレイの解像度が指数関数的に増えている現状においてドロー系ツールの注目度が日に日に上がってきています。
この手のアプリではFireworksやIllustratorが有名ですが、Fireworksは開発が終わってしまったしIllustratorは高価で操作が難しいです。
オープンソースのInkScapeと言うソフトが有りFirespeedでも何度か紹介していますがFireworksの後継として使うには非力で、ドロー系ツールの入門ツールの粋を出ないものでした。
はたしてSketch2有料アプリとしてお金を払うに値する商品なのか、そしてFireworksを継ぐだけの素質があるのか試してみました。
Sketch2はMac App Storeにて6,800円で販売中。

とりあえず描いてみた

早速Sketch2をダウンロードして描いてみました。

描いたのは日産GT-R
使用端末はMacBook Airで、内蔵ディスプレイおよびタッチパッドのみを使って描きました。
Fireworksではいつも24インチディスプレイ、Corei7のデスクトップにペンタブレットを使って描いているので条件が悪すぎる気もしますが、出先でも気軽に使えるかどうかを試すためにこの環境で試してみました。
描くのにかかったのは約半日です。

ココが凄い

直感的な操作

Sketch2を使うのは初めてで前提知識は公式Webに書いてある内容だけでしたが特に操作方法をググる必要もありませんでした。
Illustratorは何冊か本を買っても未だによく分かっていないし、かなり直感的だったInkScapeも公式チュートリアルを1本やったことを考えると断然直感的だったことがわかります。


UIの基本は、中央に描いている画像。上部に操作を行うためのボタンがまとめられていて、左側にはレイヤーが表示(Sketch2では1つのパスをそれぞれレイヤーとよびます)、右側には選択したレイヤーのプロパティが表示されています。
他のソフトと違って、この操作系が固定されているのが最大の特徴。
ダイアログやツールボックスを最小にして今できる操作が常に表示されていて、何かをやりたいときにどこにあるのかが簡単にわかって初めて使っても戸惑うことがありませんでした。
反面、表示できる量が限られるので操作できる機能はかなり絞られているようです。

塗りが凄い

色の塗りつぶしは様々なソフトと比べても良いように思います。
なにより素敵なのが最大4枚の塗りつぶしを一つのオブジェクトに重ねることができる事。
それぞれの塗りつぶしは独立していてグラデーションの種類(Fireworksで言うところの線形、円形、円錐から選ぶことが可能)や2枚目以降は重ね合わせの方法を選ぶことが可能


このおかげでFireworksでは複数のオブジェクトを重ねあわせないと行けなかった描画を1つのオブジェクトにまとめることが出来るようになりました。

線が凄い

塗りと同様に線も重ねあわせることが出来ます。
Fireworksは線の設定がかなり苦手だったのだけれどSketch2は複数の線を重ねあわせることができるので今までは複数のオブジェクトを使わないと表現できなかったようなエッジ部分の表現も一つのオブジェクトで可能です。
またInkScape同様に線にもグラデーションを付けることが出来るのが嬉しいですね。


複数の塗りと線を重ねあわせるとこういう絵をたった1つだけのオブジェクトで描くことが出来ます。
Fireworksなら5つはオブジェクトを使うところです。


マスクも凄い

もう一つ便利なのがマスクの機能で、他のツールと同じようにマスクを使えるのですが、Sketch2ではマスク自体にも色をぬることが出来ます。
下の画像では★をマスクにして●を塗っていますが、星自体にも色を塗ることができています。
他のツールではマスクは透明なので、下の画像を再現しようとしたら★型のマスク、●型の水色、★型の水色の3つが必要になりますがSketch2では2つのオブジェクトで対応が可能で
作成も修正も簡単です。
現実的にはマスクと同じ形で塗りつぶすことが多いため日頃からよくツールを使う人が設計したように思えます。

他のオブジェクトのようにマスクを透明にしたければ塗りを透明にするればOKです。

Fireworksの場合、マスクされたオブジェクトにフィルターをかけると、マスクされた後の画像に対してフィルターがかかるけれど、Sketch2ではフィルターされた画像に対してマスクを掛けることが出来ます。
そのためブラーをかけたオブジェクトをマスクすれば、マスクの縁はエッジがたち、マスク内はぼかしがかかった画像を作ることが出来ます。


基本的なフィルターがビルドイン

フィルターとしてドロップシャドウ、インナーシャドウ、ぼかし、鏡面反射がビルドインされていてすぐに使うことが出来ます。

フィルターは右側のペインで操作できて複数のフィルターを一度に操作できます。


ズーム時にピクセルを描画するか設定できる

Fireworksではドロー系ツールですが、最終結果がビットマップで出力されることを意識して設計されており、拡大するとピクセルが表示され1ピクセル単位の作り込みに便利ですが、オブジェクトを拡大した時に細かい部分が甘くなることがあり、その点はIllustratorのように拡大しても滑らかに描画できる方が便利です。
Sketch2はShow Pixel/Hide Pixelによって拡大時に出力されるピクセルを描画するか、滑らかに描画するかを選ぶことが出来ます。
このため、描画時はHide Pixelで細かな部分まで作りこみ、最後に1pixelでの調整が必要なときにShow PixelでPixel単位での追い込みが可能です。

Macおなじみの操作系

操作方法がMac標準なのも嬉しいところ。
ピンチインでのズームや2本指でのスクロールに対応していてWebブラウザで操作するようにスムーズに操作ができます。
スクロールも滑らかで細かな部分の修正と全体像の見比べなどが簡単です。

軽い

非力なMacBook Airでもスムーズに操作することが出来ました。
起動はほぼ一瞬だし、オブジェクトが複雑になってきてもスムーズにレンダリングしてくれます。

安定

挙動が安定しています。
Fireworksだと画像が複雑になってくるとメモリー不足などでアプリがフリーズしてしまったり、InkScapeは突然アプリが終了したり複雑なオブジェクトを描くとレスポンスが実用できないレベルまで遅くなったりすることがあるのですが、Sketch2では冒頭のGT-Rを作る間一度もフリーズしませんでしたし、反応が遅くなったりすることもなく、終始安定したレスポンスで操作することが出来ました。

ココがいまいち

一方、イマイチなところも無いわけじゃないです。

JPEG出力時画質

JPEG書き出しの画質はAdobe系のツールに比べるとあまり良くないように思います。
特にグラデーションの書き出しについては不満が残る部分。
一度PNGなどで出力してAdobe系のツールでJPEGに出力することをおすすめします。

オブジェクトの選択がイマイチ

Fireworksに比べると思ったものが選べない事があります。
ある程度作りこむとレイヤーリストから選ばないとほとんど使い物になりません。
しかし、レイヤーリストのプレビューは塗りが反映されていない状態なので同じようなオブジェクトが並び名前付けをしっかりしておかないと何を描いているのかわからなくなる事が多いです。

マスクの存在がわかりづらい

レイヤーリストにおいて、マクスされているオブジェクトには点がついて描画されるのですが、マスク自体には何も描画されないため、どれがマスクかわからないことが有ります。
マスクに指定されたオブジェクトは他のマスクの影響を受けないため混乱しがちです。
Star 1とRectangle 1をマスクに設定した場合は下のように表示されます。
Oval 1とTriangle 1はマスクされ星の中しか描画されていませんが、Rectangle 1は自分自身がマスクとして設定されているためStar 1のマスクの影響を受けません。
ところが、レイヤーリストにはマスクされていることを表す点が描画されるためわかりにくくなっています。


フィルターや線、塗りの数が少ない

Fireworksに比べてフィルター、線、塗りの数が少なく、細かな調整が効かないことも多いです。
フィルター系は全てが1ピクセル単位で、より細かな指定ができるFireworksに比べて融通が効かない感じです。
例えばブラーを掛ける場合、最低でも1px単位となり、実際の描画ではボケすぎてしまうことがありました。

UIが英語

操作がわかりやすいので英語でもそれほど問題になることはないと思いますが、やはり日本語にも対応して欲しいところです。

ロック/アンロックの切り替えが面倒

オブジェクトのロックはFireworksのようにワンクリックで出来ずレイヤーごとに右クリックで選ぶ必要があります。
対象のフィルターを選ぶことが難しいのと合わせて後からの作りこみがしづらい印象です。

統括

おすすめ度は80%(殆どの人にオススメ)
体感的に言うとSketch2で映画けてFireworksで描けないものはないように思います。
逆にFireworksで描けてこのツールで(現実的に)描けない絵というのは有ります。塗りやフィルターに癖があり、そのあたりはFireworksの方が便利です。
英語しか無いのも辛い点。
しかし、作業効率時間はFireworksよりも高く安定性もあり。使っていて楽しい。
今までドロー系ツールというとなんだかんだ行ってもFireworksやIllustratorには敵わないという印象がありましたが初めてAdobe以外で匹敵するツールが出たように感じます。
そしてこれだけの高性能でこの価格というのが最大のおすすめポイントです。

InkScapeから本格的なツールに乗り換えようと思っている人、Fireworksの安定性や重さに悩んでいる人、Illustratorに挫折した人におすすめです。

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