Google Chromebook pixelを半年ほど使い込んだので使ってみてのレビューを紹介したいと思います。
ChromeBook Pixelとは
ChromeBook PixelはChromeOSを搭載したハイエンドノートパソコン。最大の特徴はその名前にもあるMacBookProRetina(以下Retina)のような高解像度ディスプレイが特長です。
ChromeOSとは
ChromeOSはGoogleが開発したPC用の簡易OS。Chromeブラウザ以外の機能がなく、インターネットに繋がらない状態では何も使用することが出来ません。代わりに高速に起動します。
データをPC内に置かず(キャッシュを除く)全てクラウド上に置くことで他人の端末を借りてもログインするだけですぐに自分の最新状態の環境にすることが出来ます。
外観
外観は非常にソリッド。製品のロゴマークなどはなく唯一ヒンジ部にChromeの文字が光ります。
本体は均一な厚みでエッジの絞り込みなどもなく極めてシンプル。
このシンプルさはThinkPadをより現在的に仕立て上げたかのようです。

ボディの厚みは16.2mmしかなく、MacBookAir(以下Air)の再厚部17mmよりも薄くなっています。

Retinaでも感じたのですが、厚みが一定のためカバンへの収まりはAirよりも良く感じます。側面の接触面積が大きいため衝撃に対する安心感も高いです。
ディスプレイ
狭縁デザインと黒枠のため数値以上に大きく見えます。実際のサイズは13インチ Airと比べ僅かに縦に長く、横に短くなっています。Retina 13インチモデルが2560x1600 227ppiなのに対してChromeBook Pixelは12.85インチ 2560x1700の239ppiと僅かに小さく僅かに高解像度で僅かに高ppiです。
さらにディスプレイはマルチタッチに対応したタッチパネルになっており通常のノートパソコンのようにもタブレットのようにも使用すること出来ます。

IPS液晶を搭載し左右上下斜めから見ても色が変わることなくくっきりと写ります。この綺麗さはRetinaと同レベル。
そしてRetina以上に写りこみが無く、タッチパネルでありながら指紋も目立ちません。

ボディーサイズ
それに対してボディー幅は298mmしかなく13インチAir比で-27mm、11インチAir比でも-2mmと非常ににスリム。奥行きは13インチAir以上の画面高さを持ちながら13インチAir比で2mmスリム。

このあたりはボディーを絞りこまず密度を高めることが出来ているものだと思われます。
見た目的薄さより、実際のサイズを重視したことには好感が持てます。
しかしながら、重量は1.57kgもあり、13インチRetinaよりは軽いけれど13Airの1.35kgに比べるとかなり重くずっしりと重さを感じます。
スリムな筐体のため密度が高く、深いグレーのボディーと相まってまるで大理石の板を持っているかのようです。
キーボード
キーボードはMacBookシリーズでもおなじみのアイソレーションタイプで文字とキーの周りが光るのもMacBook風。MacBookはキーの側面から光が盛大に漏れますがChromeBookPixelは側面からの光の漏れが控えめで文字がより目立ちます。
ファンクションキーはすべてのキーが一体になり光って近代建設の間接照明のような高級感があります。

キーボードと言えば珍しくキーが小文字です。
視認性としてどうなのかと言う疑問はありますがキーを押したときに入力される文字が表示されていると言う意味では正しいように思います。
ChromeBook PixelにはCaps Lockがないため小文字が入力されます。

タッチしたフィーリングは極めて気持ちがいいです。剛性感高いボディーにクリック感があるキーの組み合わせはタイプ感がほどよく、コトコトと奏でる音もタイピングが旨くなったような錯覚に陥ります。
このキーボードノートパソコンとしてはThinkPadについで良いキーボードのように思います。
このキーが打ちたいだけのために文書をGoogleDriveで作るようになったほどです。
あ、そうそう文字入力で日本語変換も出来ます。変換精度も高く普段使いで不満を感じることはありませんでした。
工作精度
全体的に質感の高さが目立つChromeBook PixelですがMacBook程ではありません。たとえばUSBコネクタ。Airでは外装がそのままUSBコネクタと一体化していますがChromeBookPixelではボディー奥に本当のコネクタが埋め込まれています。
このため、外装を基準にコネクタを挿そうとすると内部のコネクタに引っかかる事があります。

イヤホンジャックもAirの方がより小さく高い精度を活かした攻めた設計をしているのが分かります。

SDカードコネクタ
一方SDカードはMacBookシリーズのようにSDカードがはみ出すことなくボディーに殆どが埋め込まれます。このため、SDカードをさしたままカバンに入れて持ち運ぶことが出来ます。
取り出すときはわずかに飛び出したSDカードを軽く押すと飛び出し使いやすいです。

ChromeBookPixelは32GBのSSDを内蔵していますが、ストレージとしての機能は無いためSDカードの写真も本体に取り込まれることはなくブラウザでファイルをアップロードするときにストレージのように使用したりクラウドにアップロードするのに利用します。
推定解像度
ChromeBookPixelでもRetinaのような推定解像度が使われています。これは実際の解像度と画面上で処理される解像度が別物で、Retinaに対応していない場合画面を4倍に拡大して表示し高精細に対応していないシステムでもコンテンツが小さくなりすぎないと言う仕組みですが、その仕組み上Retina非対応のコンテンツが汚く見えるという欠点があります。
デバイスがある程度絞り込めるネイティブならともかく様々な端末が接続するWebではRetina対応コンテンツが増えづらいという欠点があります。
画像をRetinaに対応させるには400pxの画像を200pxで表示しろと指定すると実際のデバイスで400pxで表示されるというちぐはぐな仕様であることや実質RetinaかChromeBookPixelのみでしか意味を持たない仕組みのため今後もどこまで普及するか疑問です。
高精細に対応していないサイトをRetinaで見ると高精細に表示されるテキスト部分と高精細に対応していない画像が混在し画像がぼやけて見え強い不快感がありました。
そのため、特にWebに於いては推定解像度の相性は悪いと感じていて、ChromeBook Pixelがその仕様を引き継いだ上にブラウザしか使えないというのはまさに一番悪い使い方のように思えます。

タッチパネルは最高
画面がタッチパネルになっていてタブレットのように使うことが出来ます。
もともとタッチパネルとWebは相性が良くFacebookのような複雑なページでもストレス無く使うことが出来ます。
レスポンスはスムーズで流石Core i5という感じ。
キーボードを使っているときはタッチパネルまで手を伸ばすのは大変なのでそんなときは普通のノートパソコンのようにタッチパッドを使うことも出来ます。
タッチパッドの質感やレスポンスも高く、MacBookと同等レベルの感覚でタッチパッドを使うことが出来ます。
MacOSの逆向きスクロールにも対応しているので日頃macBookを使っていても違和感なく使い続けることが出来ます。
発熱
ChromeBookPixelは無視できないレベルで発熱します。普通のブラウジングでは全然気になりませんが、動画を見たりするとファンがうねり底面がかなり発熱し膝の上で使うことが出来なくなります。
Airもそうですが排熱があまり得意じゃないようです。
どの程度使えるか
で、ブラウザしか使えない端末がどの程度使えるかですが、これは微妙なところ。SNS使うのには良いです。 タッチパネルの相性も良いし、キーボードは気持ちいいしなんの不満もありません。
文書書くのもGoogleDriveで問題なし。常に保存され続けるので安心感が高いですし、いつでもどこでも編集できるので便利です。
一方写真編集やプログラムは殆ど不可能です。
一部オンラインでそういうアプリもありますがやはりPhotoShopやEclipseを使った方が楽です。
私は、リビングでWebをゆっくり使いたいときに充電台から引っこ抜いてバッテリー駆動で使っています。
外出時は、今日は絶対外ではコーディングしないと決めたときだけChromeBookPixelを持って行きますが普通はAirを持って行きます。
お勧め度
10%(ほぼすべての人におすすめしない)ここまで書いておきながらですが、正直お勧めできません。
理由は一つ、ブラウザしか動かない端末に$1299は高すぎる。
解像度の高さはRetinaより自然ですが違和感が残るしほとんどのサイトでは低な画像が描画される事実は変わりません。
キーボードではMacBook系を圧勝していますがThinkPadにはかなわないし、この値段を払うならフル機能のノートパソコンを買うことをおすすめします。
4万円なら買い、5万円なら妥当、7万円なら迷う、9万円を超えたら買う価値無いです。
やはりChromeOSの魅力はChromeBoxやエイサー C7
今までPCを置くことがなかったような場所にPCを置くことが出来るようになり、どこにでも自分の環境を遍在化させることが出来る点だと思います。
現状ではあくまで簡易PCでありPC以上の値段を払う価値は無いです。
未来でWebでもっと色々出来るようになれば素晴らしい端末になるかもしれません。
未来のコンセプトモデルを使ってみたい人、Webしか使わないけれど最高の環境を味わいたい人。
そのことのために1299ドル払える人だけにお勧めです。